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8/15。日本が連合軍に降伏し、第二次世界大戦が終了した59年後の今日。Phishがバンドとしての活動を終える日でもある。天気は上々。使う予定だったキャンプエリアが水没し、その代りとして滑走路や広めの道が使われている。滑走路には、ドロドロになったキャンピングカーやずらりと並び、テントを貼ったり、地面の上にそのまま寝ていたり…誰もが泥だらけなので、難民キャンプの様相を呈している。災害指定地域と言ってもいいかもしれない。
House Of Live Phishに行き、今日も1枚CDを作った。その後、オフィシャルグッズの店に行く。結構な人が並んでいる。やはりオフィシャルの記念Tシャツは、マストアイテムなのです。Tシャツはオフィシャルと、デザインコンテストで選ばれた2種類があった。どれもPhishらしいというか、他のバンドにはないおしゃれさがある。デザインコンテストの方はコベントリーという酪農地域を前面に出した、牛のプリントでPhishという文字が牛のもようになっている、もう1枚は古い掃除機のイラストで“Used $5”という札が付いているもの。昨日のトランポリンよろしく、フィッシュマンがバキュームに使う掃除機も不要になったので、(フィッシュマン家?)ヤードセールに並べられている様を想像させる。 やっと自分の番になり、売り場のにいちゃんが注文を聞いて商品を持ってきてくれた。“ところで、どこから来たの?”“東京から”すると、やおらでかい声で“おーいみんなぁ、こいつが一番遠くから来たみたいだぞ!”“どこどこ?”“東京!!”わっと歓声が上がって照れくさい。それでも右手を挙げて応えたりして(笑)。シェイクダウンストリートをぶらついて、いろいろ写真を撮ったりしてからテントへ戻り、昼食を食べて出動準備。今日は早めに行って、昨日よりも前で観たい。 ベニューへの入場ゲートへ行くと、人がたくさん並んでいた。ゲートは13:00に開くはずだが、すでに14:00をまわっている。ぬかるみがひどいのから、できるだけ入場を遅らせることで少しでも地面を乾かそうということなのだろうか。 待っている様子を撮っていたら、ゲートが開いて人々が動き始めた。今日もリストバンドのチェックだけで、荷物検査はなし。みんな一斉に走る。出遅れた! 慌てて列に並び。こっちも負けずに走る。坂を一気に下ると、みんな椅子を置いたり、シートを広げたりしてどんどんスペースが埋まっていく。なんとか滑り込んで、ステージ左側の砂利が敷いてあるエリアの一番後ろ…10cm後ろから泥地帯というところに居場所を確保。昨日の場所よりもかなり前だ。 そして、バンドの登場を待つ。昨日と同じように。するとステージに警官か兵士のような制服を着て、犬を連れた人たちが出てきた。犬にバンドの機材をかがせて、自分たちもシートをめくったりして何やらサーチしている。爆発物を検知する犬なのだろうか。一通り調べ終わると、ビデオクルーの取材を受けて何やら喋っている。テロとの戦争を続行中の国としては、必要な処置というか命令に従っているんだろうけど、これも現実のひとつ。今日もモニターには会場にいる人々の様子が映し出され、他に見るものもないのでみんなが観ている。時折、歓声や笑いが起こっていた。 昨日よりも客の出足が早く、どんどん人が詰めかけてくる。いや、もう無理だと思うよ…それでもおかまいなしに人が来るから、かなりギチギチな感じになってきた。暑い。傾いてきたとはいえ、太陽光線がじりじりと肌を焼いていく。水を多めに持ってきておいて良かった。昨日よりも早い時間に、Phishが登場した。 1曲目はMike's Song。今日はボールと人形が最初から乱舞している。宇宙人やら魚やら、ステージが見えないだろ! ってくらいに。なので写真もこんなです。 会場も少しずつダンスモード。Reba, Carini とグニャグニャな感じにもなってきた。ブースとがかかったChalkdust Torture > Possum。Possumではサビでみんなが声を張り上げる。そしてWolfman's Brotherの間奏で、トレイがWolfman's Brotherとは、フィッシュマンのことだとバラした(?)。大した秘密じゃなかったんだろうけど、最後だからこういうネタばらしもありみたい。 そしてトレイとマイクのお母さんをステージに引っ張り出し、2人は楽器を置いてお尻フリフリの即興ダンスを披露。会場はやんやの大声援。お母さん達も大きいヒップを楽しそうにぶつけあっていた。 1stセットはぐわーっと盛り上がるというか、スロットル半開きほどの感じで終了。セカンドセットへのアイドリングだろうか。うーん、昨日の方が好みかな…だけど、音が耳から自然に入ってきている…昨日よりも。 トイレに行きたくなったので、まわりの人たちに戻ってくるから、荷物を見ててくれと頼んで後方へ。途中、日本から来たS嬢と出会った。聞けば彼女たちは30km以上歩いてきたらしい。挨拶もそこそこにトイレへ向かうが、後ろへ行こうとする人たちの列がなかなか動かない。もうびっしり人が座っていて、どうにか狭い1本の道があるのだが、そこは前へ行こうとする人たちと、後ろへ行こうとする人たちがぶつかりあい、にっちもさっちもいかないのだ。すぐ横に幅2mほどの泥の川があって、そこは誰も歩いていない。誰かが待ちきれなくなって、泥の川を遡ろうとするがスタック。足が膝上まで埋まっている。前から来る人と交差するとき、泥の川に何度も落ちそうになる。 途中までがんばってみたが、このままでは2ndセットに間に合わないと判断。引き返すことにするが、すでにそんなことをできるような位置ではなかった。ベニュー後方を正面に見て、SBDの方へ左に大きく迂回して戻る作戦に出る。隙間を見つけては左へ左へ回るが、ここも途中で動けないほどの混み具合。Excuse meとThank youを連発しながら進むが、途中で“お前、何の用だ? ここは俺たちの場所だ”とすごまれる。“いや、俺トイレに行こうと思ったんだけど、無理だから戻ろうと思って…通るだけだから通してくれ”と言うと、すごい嫌な顔をしながらも通してくれた。そんな調子で進んでいくと、シートを敷いたエリアに遭遇。前を行く何人かは土足でずかずか踏みつけていく。座っている方は何か言いたげ…ここは日本人戦法だ…靴を脱いで、ちょいとごめなんさいよってな具合で行ったら、ありがとうって言われた。いえ、こっちこそ恐縮です…。 なんとかあと5mくらいまで来た。すると、関所が出来ていてガタイのいい2人が“だめだめ、もうここは一杯だから向こうへ行って”と前に行こうとする人たちを脇へ押しやっている。げ、俺もダメかなと思いつつ進んでいくと、“お前は見覚えがあるな。おーい、ちょっとこいつを通してやってくれ”とメンバー(?)待遇。無事に元いた場所に帰り着く。トイレは我慢するしかないか…と思っていたら2ndセットが始まった。 最初から飛ばしてる。こういう感じのPhishが好きだ。スピード感溢れる演奏で乗せていく。曲の後半のジャムもグリグリ進行していく。 Page gets emotional…とセットリストにあるように、Wading in the Velvet Seaの最初からペイジが泣いている。感極まって、マイクを観客へ向けた。歌えない。フォローするかのように合唱になった。それまで感傷的な感じはなかったのに、まわりのアメリカ人ももらい泣きしている。何かあたたかいエネルギーのようなものが、あたりを大きく包み込んでいた。曲が終わればペイジ・コールも起きていた。ファンのバンドを愛する気持ち、そしてバンドがファンを愛してきた気持ちの交錯。どの曲だったか記憶が定かでないが、トレイが笑顔で観客の誰かを指さして、彼(女)のためにというような感じでソロを弾いたりもしていた。Glideの後にメンバーそれぞれが感謝を述べた。フィッシュマンが“ここまで歩いてきた人は?”と問いかけ、後方から大歓声が巻き起こる。トレイも泣き出し、言葉にならない…彼らは本当に、ファン達を大事に思い感謝を捧げていた。 湿った雰囲気をぶっとばすように、ドラムが鳴り出し、ベースが絡み、Split Open and Meltが始まった。長い。そのままGhostへと続いて2ndセットが終わった。昨日と同じく、客電は消されたまま…トイレに行きたい…が行けない…行っちゃいけないがまん。 静かな幕開けとなった3rdセット。気が付くと細部まで観察していた。もちろん音も聞いていたが、バンドを見るという行為に熱中。この頃になると、Simpleで歌詞を忘れてなんとか持ちこたえるとか、トレイが間違えてるとかわかるようになってきた。そしてPiperがやばかった。トレイのギターがうなる。マシンガンのようなフィッシュマンのドラムに援護射撃を加えるペイジ、それらがマイクのベースラインの上に複雑なJamを展開する。 それからエンジニアの名前を入れて、即興で曲を作って演奏することで感謝を表してみたり。Wilsonでは、イントロのコールを思いっきり叫ぶ。気持ちいい! 最後はSlave to the Traffic Light。花火が何発も上がり、華やかなラストを演出する。だが夏の終わりを感じた幼い日のように、むなしい破裂音が夜空に響いている。もう終わりなのだ。この魔法のような日々と冒険が。6月のボナルーから始まって、デッド、ハイシエラを経由し、Phishの最後を観るためにカナダ近くまで来た旅が終わるのだ。 自分の心の中にはいくつもの扉があって、いくつかは開いていて、残りの多くには鍵がかかっている。それはつっかえ棒程度だったり、南京錠だったり、鎖で厳重に巻かれていたりする。Phishはそのすべてを破壊してくれた。ドアというドアが爆音によって吹き飛ばされたように感じた。台風一過のように、後に残ったすがすがしい気持ちと、ボッカリと大きな穴が空いたような感じ。昨日までの自分とは違う自分がいた。あぁ、なぜ僕はこんなにも素晴らしいバンドとすごいショウを逃していたんだろう。もう1回観たい。だけど観られない…。 アンコールの後、4人がステージ前方に進み出て深々と頭を下げた。悲鳴と歓声が混じり合い、冷たい風が頬を伝わる涙を乾かしていく。トレイのサンプリングした音が、頭の中でぐるぐる回っていた。フロアの客は立ちつくしている。呆然としているやつもいれば、肩を抱き合って機材が淡々と片づけられていく様を見ている2人。多くの人たちがその場を離れずに、いつまでも立っていた。 来て良かった。このショウはいろいろな意味で伝説となるのだろう。二度と帰ることのない瞬間のひとつひとつ、6万とも7万とも言われる人々と共有した空気…そして2つの目が目撃したこと、両耳が聞いたPhishの音が脳のどこかに静かにしまわれた。そして折に触れて思い出し、歩き続けていくのだ。 Phish 08/15/04, New Port State Airport, Coventry, VT Set 1: Mike's Song > I am Hydrogen > Weekapaug Groove, Anything But Me, Reba, Carini > Chalkdust Torture > Possum, Wolfman's Brother* > Taste Set 2: Down With Disease** > Wading in the Velvet Sea***, Glide****, Split Open and Melt > Jam (blowing off steam) > Ghost Set 3: Fast Enough for You, Seven Below > Simple > Piper > Bruno# > Dickie Scotland## > Wilson > Slave to the Traffic Light###, E: The Curtain With% Comment: *The Wolfman's brother is Jon Fishman. **Trey plays his guitar with a glow stick. ***Page gets emotional. ****The band speaks at length following the song. #The band spontaneously writes a song to acknowledge their monitor engineer Mark "Bruno" Bradley. Other crew acknowledgements. ##Spontaneous song for Richard "Dickie Scotland" Glasgow. ###with fireworks. %Trey speaks before the song
by walstib
| 2004-09-20 13:13
| Show Report
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